「自分のため」にしたほうがいい青色申告

  したがって、どうせ経理処理をしなくてはならないのであれば、キチンと届出をして、青色申告にしたほうが間違いなく有利です。

  フリーランスなど、キチンとしたビジネスを行う場合は当然のこと、そこそこの事業をする場合には、もうこれからは青色申告をしない理由は見つからないと思います。

  まあ、ここまで青色申告を強く勧めると、なんだか税務署の手先のように思われるかもしれませんが、これは決して国のためとかではなく、「自分のため」なんですね。

  でも、それでもやはり青色申告って、自分には難しいような気がする、と思う方も多いことでしょう。
「青色申告は人が言うほどそんなにカンタンにはできないんじゃないか」――多くの人がそう思うのは仕方のないことだと思います。

  でも、ホントに青色申告というのは、みんなが思っているほど難しくないんです。

  たとえば、個人における青色申告の最大のメリットの1つである「65万円控除」ですが、これを受けるために必要な貸借対照表は、変な話、すごくカンタンでいいのです。

  たとえば、拙著新刊『【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』中の173ページのように、スカスカな貸借対照表でも、キチンとしか会計処理に則ってつくったものであればOKなのです。

  もちろん、数字が合っているかとか中身が正しいかどうかは別のことで、もし間違っていたら税務署から指摘を受けることになるのは当然です。
  でも、まずはその前に、届出がされているとか、申告書がつくられているとか、そしてもちろん、期日までに申告書が提出されるなど、キチンと形式が整っていることがまず大事なのです。

  極端なことを言えば、数字が違っていたら訂正すればいいんです。