2014(平成26)年1月から変わること

  ただし、2014(平成26)年1月からは、事業所得や不動産所得等がある白色申告者は帳簿をつける義務が課されるようになりました。

  この白色申告の記帳(帳簿をつくること)については、1つひとつの取引ごとではなく、日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

  ですから、最悪、総勘定元帳などのキチンとした帳簿ができていなくてもいいことになっていますが、同時に帳簿や領収書などの保管義務も発生したので、可能な限り正確な資料をつくるようにしたいものです。

  もちろん、キチンとした帳簿をつくれるのであれば、青色申告にしてしまったほうがいいには違いありません。

  私のところに相談にこられる人たちを見ていると、開業してからの届出忘れがじつに多いのです。

  そのために、せっかく青色申告にできるのに白色申告にしかならない、というケースがかなりあります。

  青色申告は個人事業の場合は開業して2ヵ月以内かその年の3月15日まで、法人の場合は、適用を受ける事業年度が始まる日の前日まで(ただし、新設法人の場合は、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで)、といった条件があります。

  いずれも基本的には、適用を受ける期が始まる前までに届出をしなければならないので、申告時点で「あ! 出し忘れた!」と気がついても遅いわけです。

  そのときに、青色申告の届出をしたとしても、青色申告になるのは法人なら次の期、個人なら翌年からになるので、気づいてから丸々1年ほどはソンする形になってしまうわけです。

  ですので、ついつい青色申告の手続きをしそびれて、ずっと白色申告……という場合もあるのです。こういうのは非常にもったいないですね。

  さて、話を戻しますと、基本的に青色申告には、節税につながる特典がたくさんあります。
  それだけで青色申告にするメリットがあるのですが、白色申告にはそういうメリットがそれほど多くありません。
 節税を考えるなら、「白色申告よりも青色申告」ということになるのは当然です。

  では、白色申告の一番のメリットは……というと、これはなんと言っても「わずらわしくない」ということくらいしかありません。
  ぶっちゃけ、それしかないと言ってもいいくらいです。

  以下は個人事業の話ですが、2014(平成26)年1月からの白色申告の記帳については、1つひとつの取引ごとではなく、日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになります。

  同時に、帳簿や領収書などの保管義務も発生したので、キチンとした資料をつくる必要が生じることになるのです。

  総勘定元帳など本格的な帳簿は求められないといっても、処理をする手間は、正直あまり変わらないでしょう。