これからのビジネスパーソンにはグローバルな視点で能力を発揮し、成果を出すことが求められます。そうした中、日本人ビジネスパーソンにとって“弱点”になり得る傾向について、筆者は偶然にも思い知ることになりました。その傾向とは?(ビジネスコンサルタント・作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)
「丁寧で分かりやすい説明」に
慣れすぎた日本人
「そんなこと言うのは日本人だけですよ!」
イギリスに本社を持つとある外資系企業の日本支社代表のNさんは、私にこう言いました。なぜNさんが冒頭の発言をするに至ったのか、事の経緯を説明しましょう。
弊社では最近、Nさんのご厚意によって「Capability Test」(能力テスト)を、BtoCビジネスを行う日本の組織として初めて導入(プロトタイプ)することになりました。
Capability Testとは、25個の選択式質問に答えていくと、16ページに及ぶ結果レポートが届くサービスで「自分のどこが弱く、何を強化すればより結果を出せるか?」が可視化できるようになっています。
それによって営業アプローチを見直したり、短縮させたりすることができ、成約率が劇的にアップした組織もあるとのこと。
Nさんの話を聞き、とても画期的な取り組みだと感じた私は厚かましく頼み込み、プロトタイプの「営業能力テスト」を一緒に作ってもらったのです。
グローバル企業での導入事例はあるものの、日本では初めての試みということで、私もわくわくしていました。ですが…。
ある課題が浮き彫りになりました。実験的に、セミナー参加者などを対象に内容を説明の上、テストを行った際、テストを体験した方が150人と、思ったよりも少なかったのです。調べてみると、600人もの方が質問の途中で離脱してしまったことが分かりました。