部下といえども、生身の人間であることには変わりありません。1on1という形にこだわる必要はありませんが、「最近、調子はどう?」というような声かけや、その人を知る場を作ることは大切です。コロナ禍では少し難しくなっていますが、オンラインで雑談をしたりすることで、部下が元気かどうか確認することを心掛けてみてはいかがでしょうか。

 ただし、部下が上司に対しては無理をして平気な顔をしている可能性もあります。もし気になる部下がいるのなら、その同僚や別の部署の人(たとえば斜め上の上司)などを経由して、話を引き出せる環境にするという方法も良いでしょう。

ストレートに本人に聞く、
周りの人から聞いてもらう

 いずれにしても言えることは、働く人は工場の機械ではない、ということです。数値で測って何かが分かるものではありません。元気がないなと感じたら、ストレートに本人に聞く、周りの人から聞いてもらう、などさまざまな手段を使って部下の様子を知ることが何よりも大事です。

 そうして原因が分かれば対処のしようが考えられるというものです。健康や仕事上のことなど、何か課題があるのであれば、フォローし、支援してあげましょう。

 もうひとつ、先に例で挙げたように、チームが全体として元気がない、個人ではなく組織が元気がないというケースもあります。この場合は、そのチーム、組織が意味のない仕事をしていないか、もう一度確認すべきです。そして組織として、仕事にやりがいがあること、成果を出すことに価値を認める文化を育むべきでしょう。

(クライス&カンパニー顧問/Tably代表 及川卓也、構成/ムコハタワカコ)