性別・年齢によってうけるがん検診は違う20代の娘にもがんのリスク。お母さんご自身も含めて、お母さんが家族のがん検診の指揮官に!(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「日本人の2人に1人ががんになる」といわれている昨今ですが、日本のがん検診受診率は先進国の中でも最低レベル。さらにコロナ禍ということもあり、2020年度の受診率は前年より3割も減っています。とはいえ、やみくもにがん検診を受けるのではなく、検査内容や年齢、受診のタイミングなど、今の自分がどの検診を受けるべきかを正しく知る必要があります。そこで今回は、医師であり、国立がん研究センターのがん検診の専門家でもある中山富雄さんの著書『知らないと怖いがん検診の真実』(青春出版社)から、検診の前に知っておきたい、年齢や性別によるがんの傾向について抜粋紹介します。

がん検診へのモチベーションは、がんを知ることから

 自治体のがん検診には補助があり、自己負担の額は自治体や検査によって異なります。厚生労働省の「市区町村におけるがん検診の実施状況等調査結果」(2008年)の調査によると、肺がん、大腸がんは1000円以下、子宮がん、乳がんは500~2000円の自治体が多かったようです。ただ、胃がんは2500円以上の自己負担という自治体も結構ありました。

 自治体ごとのがん検診の受診率を調べていたとき、ずば抜けて高い自治体を見つけました。東の横綱は東京・港区。西の横綱は大阪・箕面市。私は大阪の出身ですから「箕面市」が「お金持ちがぎょうさん住んではる」セレブの街なのはよく知っています。港区も高級住宅地として全国的に有名なので、2つが並んでいるのを見て「さては」と検診受診料を調べてみると、案の定「無料」。