眞子さまが新興宗教の「広告塔化」の恐れも

 そんな2つのリスクとやや異なって、3の『眞子さまの「広告塔化」』はちょっと方向性が違う。ストレートに言ってしまうと、小室さんの母・佳代さんが信仰している新興宗教に、一般人となった眞子さまが主体的に関わってしまい、布教活動のシンボルにされてしまうかもしれないというリスクだ。

 ご存じの方も多いだろうが、一部メディアが佳代さんの信仰について報じている。例えば、「週刊新潮」が報じた『小室圭さん母が信仰の新興宗教信者「“脱会したら罰が当たるぞ”と脅されてきた人生」』(2019年9月19日号)などだ。

 まず、はじめに断っておくが、筆者はこの新興宗教が問題だとか言うつもりは毛頭ない。記者をしていた十数年前、実際にここの信者の方たちにお会いして、お話を聞いたこともあるが、真面目に信仰に励んでいる方が多い印象だ。もし本当に佳代さんが信者だとしても、信仰の自由なので、誰かに批判されるようなものでもない。

 しかし、これはどんな宗教でも同じだが、新興宗教というのはどうしても「自分の神様が一番」ということを訴えて、信者を増やしていくというビジネスモデルだ。言い方は悪いが、他の宗教を下げて、自分たちを上げるという部分がある。この新興宗教も「唯一無二の神」をうたっているので、どうしてもそうなってしまう。

 さて、そんな宗教を信じる家庭に、日本の神道の頂点にいる天皇家に連なる血統の女性が嫁いだら、果たしてどんな事態が起きるだろうか。

 まず、「改宗」の可能性がある。創価学会などでも親子二代で信者というパターンは非常に多い。大切な家族が信じているものに影響を受けるのは、人として当然だ。

 もちろん、皇籍を離脱して一般人になるわけだから、どんな宗教を信じようとも眞子さまの自由だ。しかし、入ってこられる宗教側からすれば、どうしてもこれを利用したくなってしまうのではないか。宗教というのはあらゆる手段で「信者拡大」を目指すものだ。そのため、他宗教を下げ、自分たちがいかに素晴らしいかを訴える。それには「本当の信仰に目覚めた元皇室女性」は最適だからだ。

 また、その点では「アメリカで生活」も都合がいい。日本国内でもしそんなことをやろうものなら、この新興宗教のもとには、日本中から右翼の街宣車が集まって大騒ぎになるが、アメリカでやれば、そこまで悪目立ちをしない。

 ちなみに、この新興宗教のホームページには、「海外在住のご家族がいられる皆様へ」として、カナダのバンクーバー、カルガリー、アメリカのニュージャージー、ロサンゼルスなどの「海外会場」が紹介されている。

 もし一般人となった眞子さまが「特別ゲスト」として、これらの会場に現れたらどうか。もし「唯一無二の神」への信仰を語るようなことがあればどうか。信者の皆さんは大喜びで、新しい信者も続々増えていく。宗教団体なら、こんな強力な広告塔を利用しないわけがないのではないか。

 仮にそうなったとしても、「宗教の自由」があるので、誰も眞子さまを責めることはできない。ただ、これが天皇・皇室に対する求心力低下につながることが「リスク」なのだ。保守層からは、「なぜあんなことを許しているのか」「そもそも結婚をさせるべきではなかった」などという怒りの声が上がって、「日本人にとって皇室とは何か」という、これまで避けてきたタブーに切り込まなくてはならなくなるかもしれない。