日々のエネルギーを作り
細胞をリニューアルする食事の「5カ条」

「ただ『おなかがすいた』『おいしいから』と、あまり考えずに食べている人が多いと思いますが、私たちが食べる意味は『エネルギーを作るため』、そして『細胞をリニューアルするため』です。ところが、そのことを考えずに脳や舌で判断して食事を選ぶと、脳も舌もすぐにだまされるので、砂糖中毒、カフェイン中毒などになってしまいます」

 では、日々快適に過ごせるようエネルギーを作り、細胞をリニューアルするにはどんな食事をとったらいいのだろうか。最後にアドバイスをもらった。

(1)和食中心の食事に
「日本人の私たちにとってDNAに合う食事とはやっぱり和食です。おしょうゆやみそといった良い発酵食品を活用した食事が日本人には合っています」

(2)良質なタンパク質と脂質をとり、筋肉と骨を維持する運動をする
「糖質は即効性のあるエネルギーですが、長持ちするエネルギーはタンパク質と脂質です。これらをしっかりとりつつ、運動で筋肉や骨を維持しなければ、エネルギーは長持ちしません」

(3)毎日同じメニューはNG
 朝は「パンと卵」など、メニューが決まっている人は少なくないだろう。しかし、「微量な栄養素も含めてすべての必要な栄養素を毎日コツコツとることがいちばん。同じメニューでは確実に栄養が偏ります。バランスよく栄養が含まれていることをうたっている商品でも同じ。そもそも分かっている栄養素は一部で、まだまだ分かっていない栄養素があり、そうした微量な栄養素が実は大事だったりします。だから、これさえ食べていればOKという食品、メニューはありません」。

(4)まずは1週間分の食事を記録して、見直しやすいところから変える
「1週間の食事を記録すれば、傾向が分かります。ただ、急にすべては変えられないので、変えやすいところから見直しましょう。たとえば、間食によくお菓子をとっている人は、素焼きのナッツ類やミートボールに変える、甘い飲み物を飲む人はだしスープに変えるなど、まずは間食から見直すことをおすすめします」

(5)サプリメントを活用する
「どんなに食事に気をつけても、微量な栄養素を満遍なく毎日とることはほぼ不可能です。特に忙しいビジネスパーソンは、サプリメントで補充するスタイルがいちばん合っています。ただし、サプリメントも選び方が肝心。一つには良質なサプリメントを選ぶこと、もう一つは自分に合ったサプリメントを選ぶこと。ビタミンCなど、誰もが不足しがちな栄養素もある一方で、不足している栄養素には個人差がありますから、まずは血液検査で栄養状態を調べて、自分の“取扱説明書”を作りましょう」

(ライター 橋口佐紀子、監修/うえやま腎クリニック〈鹿児島県鹿児島市〉 上山菜穗 院長)

上山菜穗 プロフィール
農学部を経て、「しっかり人の体に向き合いたい」と医師の道へ。鹿児島市で形成外科と人工透析の「うえやま腎クリニック」院長を務めるとともに、分子栄養療法とフットメンテナンスを二本柱とした「ビューティー・コア・サポート★」も立ち上げ、10年先、20年先を見据えた人生設計のサポートを行っている。
https://www.bcs-jin-ai-kai.jp/