「一橋大からは伝統的に5大商社に多くの就職者が輩出しています。先輩から話を聞いて、自分も、と憧れるのでしょう。優秀な人材を大勢送り込んでおり、業界全体にとっても貢献しているといえます」

 一橋大の学生を鍛えるのが、充実したゼミ群だ。全学部で少人数のゼミが必修となっているほか、全学生を対象にした教養ゼミもある。さらに同大ならではの特徴的なゼミが、同窓会組織・如水会による「如水ゼミ」だ。卒業生が学生を指導するゼミで、キャリア教育の一環として開講されている。

 金融、商社、広告、マスコミ、国際関係など業種ごとに設定されており、例年春夏学期、秋冬学期でそれぞれ8~10のゼミが開講されている。如水会事務局長の三輪隆司さんはキャリアゼミについて、次のように話す。

「各業界の卒業生がボランティアとして講師を務めています。仕事の内容について学ぶことはもちろんですが、卒業生の人柄を通して業界を知るという側面もあります」

 前出の安田さんは、難関大の学生ほど海外志向が強く、世界を股にかけて活躍したいという学生が多いという。商社はその活躍の舞台になる。三輪さんも「一橋大は、国際社会で活躍できる人材を育成する教育をしている」と言う。

「5大商社の仕事は、物の動きから事業投資へと変わってきています。学生は、いかに自分が世界に貢献できるか、ビジョンをもって臨んでいると思う」(三輪さん)

 2位以下には東京外国語大、国際教養大、国際基督教大など、国際系や語学系大学がランクインした。また早稲田大や上智大など、国際系の学部をもつ大学も強い。

「やはり商社は語学ができるほうが有利。大阪大(7位)は07年に大阪外国語大と統合して外国語学部を設置した背景もあり、語学に強い学生が多いです」(安田さん)