テーマパークで考えるキッチン整理(1)
食品は「退園時刻が決まっているゲスト」

 キッチンアイテムは、大きく分けて2種類あります。食品や消耗品などの「使い切って循環させるモノ」と、食器や鍋などの「繰り返し使いまわすモノ」です。

 前者を「ゲスト」、後者を「キャスト」、舞台になるキッチンを「テーマパーク」と考えてみましょう。テーマパークではゲストの居心地が最優先です。ゲストを望みの場所へ速やかにご案内して、気持ちよくお金を使ってもらいつつ、回転を良くして効率を上げることを重視します。

 なので、キッチン整理も食品や消耗品がスムーズに使用され、循環するための場所作りが最優先です。食器や鍋をどこにどう置くかは、それらが決まってから考えます。

 ゲストは入れ代わり立ち代わりやってくるため、定位置は常に不安定。だからこそ「キャストが邪魔しないこと」「楽しんでお金を落としてくれるように、すべてのゲストに目が行き届くようにすること」「スムーズに回転すること」が必要です。特に、消費期限が明確にある食品は「退園時刻が決まっているゲスト」ですから、管理の重要度は高いと言えます。

 1)まとまった場所を確保する
・キッチンボードの大きめの引き出しをメインに、足りなければその隣、下の引き出しも利用
・棚の場合は両開きの大きな空間を利用、足りなければ引き出しを利用してもよい
・隣り合った収納にしまい、飛び地を作らない
・使いたい場所に鍋や食器などが陣取っている場合、いったん追い出す

 2)見える、分かるようにしまう
・パッケージが大きい食材は、深めのカゴやケースを4~5個用意して「粉」「砂糖・塩」「乾麺」「乾物」「味を決めるレトルト調味料」「ボトル調味料のストック」に分ける
・パッケージが小さい食材は、浅めの引き出しをカゴで区切るなどして、「だし・乾物・スープ」「缶詰」などで分けていく

 モノが少なければ置いたものがすべて「見える」けれど、実際はなかなかそうもいきません。上記のような「ざっくりしたグループ」に分けることで「すべては見えないけれど、だいたい分かる」という状態を作っておくのがよいでしょう。

 3)手を入れてスムーズに出し入れできるように配置する
・引き出しなら上から出し入れできるが、棚の場合は奥のモノが取りづらくなる。ケースの上にケースと同じくらいの高さの余白を作ることで、ケースを引き出さなくても直接奥のモノに手が届くようになる