相手がどうこうではなく、
すべて自分の問題として物事を解決していくようにする
でもそんなにいきなり言われたって、相手のことをいろいろ言いたくなるのは止められません! というのもわかります。
自分で「お別れしましょう」と言いましたが、それを言われて即「あ、はい、止めます!」と止められるなら、この世の中にこんなに「こうすればラクになる」的な本は大量に売られていませんね。
人間は、どうしても今の立場や境遇の原因を、自分以外のところに見出したくなる生き物です(即頭を切り替えられるなら、おそらく悟りの境地に達していると思います)。
何かを見て反射的にムカつくな、と思ったときに、せめてその負の感情をもう少し利用価値が出るように無理やりにでもねじ曲げていけたら、少しは明るい未来につながります。
たとえば、私がライバルであるE先生についてどう思うか聞かれた場合は、次のように答えるように意識すると思います。
「今話題のE先生ですね。いつもよいことを言われますし、評価されるだけのことはありますよね」と(ムカついていないかのように)相手を悪く言わないように心がけつつ、
「ちなみに、私はこう思います」
とちょっとだけ自分の考えを添えて終えられたら自分に花丸です。このほうが、誰がどう見てもE先生の悪口を言うだけの人より、いい人に見えるし、自分の品位を落とさずに済みます。
繰り返しますが、嫉妬とは、他人に対しての自分勝手な格付けや競争にすぎません。勝手に自分で妄想してイライラしていたらメンタルが持ちません。現実に自分が被害を受けているわけではないことを理解し、自分で自分の首を絞めるようなことからは、そろそろ卒業しましょう。
相手がどうこうではなく、すべて自分の問題として物事を解決していくようにすること。そうできれば、嫉妬のネガティブ感情からも解放され、ずっとラクに物事を考えられるようになります。
POINT:
頭の中で模擬戦を繰り返し、嫉妬に苦しむ低レベルの自分を手放すよう練習する。
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。