大豆イソフラボンの
過剰摂取になる危険性も

 大豆には、植物エストロゲンの一種である大豆イソフラボンが含まれている。食品安全委員会は「その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)と類似していることから、骨粗しょう症、乳がんや前立腺がん等の予防効果があるといわれる一方、乳がんなどのリスクを高める可能性も考えられる」として、2006年に「大豆イソフラボンの摂取目安量の評価」をしている。

 そこで示された数値は「大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限値が70~75mg」であり、そのうち、「食事以外の特定保健用食品からは1日に摂取する量を最大30mg」と決めている。

 主な大豆製品に含まれている大豆イソフラボンは、いずれも100g当たり平均「豆腐20.3mg」「納豆73.5mg」「油揚げ類39.2mg」「豆乳24.8mg」などである。

 日本人は、豆腐、納豆、みそ、しょうゆ、油揚げ、きな粉、豆乳、大豆油などの様々な大豆製品を食べているので、欧米人より大豆イソフラボンをより多く摂取しているといわれている。

 毎日、納豆1パック45g(大豆イソフラボン約33mg)と豆腐4分の1丁100g(同20.3mg)を食べるだけで、大豆イソフラボンを53.3mg摂取することになる。

 それに加えて、毎日豆乳を100g(同=24.8mg)飲んでいれば、合計78.1mg。それだけで上限値を超えているが、それ以外にも、みそ、しょうゆなども食べている。

 そこに、肉類の代替として大豆肉を食べるとなると、1日当たりの上限値を軽く上回るだろう。大豆肉に含まれるイソフラボンの量はわからないが、大豆そのものには100g当たり140.4mgも含まれている。加工して半分になったとしても70mgだ。

 食事は、あくまでバランスが大切であり、同じ種類のものばかり食べることは健康上も良くない。

 牛のゲップや水田でのメタンの排出を抑制する取り組みは、日本でもすでに始まっている。温暖化対策のために個人が何をすべきかを考えることも大事なことだが、まずは自分や家族の健康を最優先にした方がよいのではないだろうか(記事中の大豆イソフラボンの含有量や摂取目安量は、いずれも大豆イソフラボンアグリコン換算値)。

(消費者問題研究所代表 垣田達哉)