全雇用者の手取りベースの給与における
2000年度から19年度への変化率
岸田政権が発足した。所得分配を重視する「新しい資本主義」の実現を目指すという。これは渋沢栄一氏が唱えた合本主義がベースにある。一部の人に富が集中するのではなく、公益を重視し、社会全体で豊かになる経済システムである。
具体策としては、住居費・教育費の支援強化、医療・介護・保育の従事者の所得引き上げ、「下請けいじめ」の監視強化、財政の単年度主義の弊害是正などが挙げられている。分厚い中間層をつくり、新たな成長につなげる考えだ。
潜在成長率は2012年末の第2次安倍政権発足以降も低下傾向にある。成長力の強化は岸田政権でも課題だが、内需を分配面から活性化させる視点も重要だ。