価格は、顧客が感じる価値で決まる
突然ですが、なぜシンガポールの日本食屋で食べる寿司の価格は、日本の2~3倍もするのでしょうか? 多くの人が「シンガポールは家賃や人件費が高いし、日本から空輸で生ものを輸送するコストもかかるから」と回答するのではないでしょうか。
しかし、マーケティングの考え方として、これは誤っています。
シンガポールで食べる寿司の値段が高いのは、ズバリ「顧客がその価格を支払うから」です。
いくらコストがかかっている商品であっても、顧客がその価値を認めなければ高い値段を払おうとはしません。
よく聞く話ですが、「うちの商品はコストがかかっているから、価格が高くなるのは仕方がない」という論理からは、顧客視点が欠落しています。
一般的に原価率が低いといわれる高級化粧品やダイエット飲料などを顧客が定期的に購入するのは、顧客がそれだけの価値を認めているからです。
商品価値は機能的価値、情緒的価値、サービス価値の3つで構成されます。高級化粧品のように情緒的価値が商品価値の大半を占めるケースもあります。