就活中の子どもに、活動資金として「現金」を渡してはいけない理由就活中の子への正しい関わり方として、親が活動資金を適切にわたすということが挙げられる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2023年卒の学生の就職活動が始まっている。口出ししすぎるべきではないとわかっていても、親としては子の就職活動が心配でないはずがない。親として子の就職活動に対してどう見守り、何をアドバイスすればいいのか。人気企業の採用から育成までを支援し、親向けのセミナー経験も豊富なダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、子の就活を成功させるための親の関わり方についてプロの視点でアドバイスする。

就活中の子に活動資金を
適切に渡すことの重要性

 子の就職活動にどのように関わればいいのか。私はこれまで実際に見てきた経験から、親が「就」「活」「生」の3つのポイントを外さなければ、お子さんの就職活動は成功すると考えています。今回はその「活」についてお話します。

 前回は「就」として、親が今の就職活動の実態を知るべきことをお話しました。現状を知ったうえで、子にどのように手を差し伸べるのか。子への正しい関わり方として、活動資金を適切にわたすということがあります。

 すでにお話してきた通り、今やほとんどの企業説明会の動画がウェブサイトにアップされています。また、採用の過程のやりとりはある段階まではオンラインで行われます。そこで、「オンライン説明会をやっているみたいだけれど、うちのネットワーク環境は大丈夫なのだろうか」と子に聞いてみれば、子は「多少なりとも就活の現実を知ってくれている」と思うと同時に、「気にかけてくれてるんだな」と思うでしょう。

 こうした声のかけ方によって、前回の「就」(今の就職活動の実態を知る)と、現実的に必要とされている活(活動資金)が結びつくのです。

 これはただ一方的に「オンライン説明会をやっているのだから、動画を見なさい」「インターンシップに参加しないと内定が出ないらしいわよ」と、説教がましく言うのとは大違いです。