新型コロナウイルス感染症拡大は、就職活動に大きな影響を与えています。これから就職活動を控えるお子様を持つ保護者の方は、「わが子の就活はいったいどうなるのだろう。長引くコロナ禍で厳しさを増しているのでは?」などと心配されているかと思います。
結論から言えば、業種によってばらつきはあるものの、一昨年・昨年ともコロナ禍でも企業の新卒採用意欲は堅調であり、今後も同様の傾向が続くと考えられます。
今回は、2023年卒業の学生に向けた就職活動の展望を中心にお伝えするために、まずはコロナの影響を受けた2021年卒、2022年卒の状況について解説したいと思います。
実は21年卒、22年卒とも
大卒求人倍率は堅調だった
リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査」 によると、大卒の求人倍率は21年卒1.53、22年卒1.50となっています。
コロナ前である20年卒の求人倍率は1.83でした。企業の人手不足が深刻化し「採用難」と言われた年でもあるため、そこから比べると21年卒、22年卒ともに求人倍率は低下していますが、実はリーマンショックの不況時よりも高く(11年卒1.28、12年卒1.23)、企業の採用意欲の底堅さが見て取れます。もちろん、コロナ前とはかなり景色が変わりましたが、少なくとも「就職先がない」という状況ではないことを、まずご理解いただければと思います。
なぜ求人倍率が大きく落ち込むことなく、堅調を維持しているのか。大きく2つの理由が挙げられます。