「公共職業訓練」3つのメリット
失業手当の延長が可能な場合も

カタリーナ 「あなたの場合、2カ月間の給付制限を受けずに失業手当をもらい始めることができるわね。失業手当の給付日数は『特定受給資格者』とみなされると270日分になるけれど、最終的な判断はハローワークが行うことになるわ※注。30~44歳までの上限日額が7510円だから、金額にすると計202万円くらいかしら」
注※希望退職募集(希望退職募集の名称を問わず、人員整理を目的とし、措置が導入された時期が離職者の離職前1年以内であり、かつ、当該希望退職の募集期間が3カ月以内であるものに限る)への応募に伴い離職した場合は、「特定受給資格者」に該当する。ただし、従来恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は「特定理由離職者」になることもあり、いずれもハローワークの判断による。

松本 「すぐに手当がもらえるのは助かります」

カタリーナ 「それだけじゃないわ。ハローワークで求職の申し込みをするときに、職業訓練を受けたいと相談するのがポイントよ」

松本 「職業訓練って何ですか?」

カタリーナ 「求職者を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するためのものよ。テキスト代の自己負担はあるけれど、3カ月~2年程度の期間をかけて無料で訓練を受けることができるの」

松本 「へぇ。聞いたことないなぁ。無料で受けられるのはありがたいですが、何かメリットがあるんですか?」

カタリーナ 「大きく三つあるわ。まず、転職に備えて原則無料で新たなスキルや知識を身に付けられる。この先まだ長く働くことだし、生産管理の仕事だけにこだわらず、キャリア転換を考えてみてもいいんじゃない?」

松本 「そうですね。それはちょっと考えていました。これからはデジタル人材の需要が高まるから、その分野でスキルを磨くのもアリかと」

カタリーナ 「デジタル分野の職業訓練は、今とても人気があるわね。あと、二つ目のメリットは、経済的なサポートを受けられることよ。これはとても大きいわね」

松本 「え、本当ですか?」

カタリーナ 「ええ。失業手当は給付日数分をもらったら、本来はそこで終わり。でも、例えば1年間の受講期間がある訓練を受けることになったら、訓練が終わるまで延長して、ずっと手当をもらい続けながら受講できるの。その他に受講手当や、通所方法によっては通所手当も受けられるわ」

松本 「すごいシステムですねぇ」

カタリーナ 「別名『ハロートレーニング』っていうの。受講する人には、お金だけでなく、キャリアコンサルティングや就職相談など積極的にサポートしてもらえるの。こうした就職支援が三つ目のメリットね。失業中だからこそ、再就職に向けた手厚い支援が受けられるってわけ。さらに言えば、訓練を通して年齢も経験も異なる仲間たちと交流できるってことかしら」