加藤 例えばどんな意見や提案がありましたか?

谷口直嗣(たにぐち・なおつぐ)日本総合研究所、CGプロダクションのR&D部門を経て独立。コンソールゲーム開発/企画、Web開発/企画/ディレクション、インタラクティブアートや展示物の開発、スマートフォンアプリの企画、開発などを行っている。最近は関わったプロジェクトを軸にしたソーシャルグラフを形成するWebサービスの企画、ディレクション、某自動車メーカーのITの研究所で研究のためのプロトタイプ開発などを手がけている。

安藤 例えば「そういうビジネスをしたいなら、こんな人を雇うといい」といったアドバイスですね。会場から出た意見でいちばん多かったのはどうやったら日本市場にアプライできるのか、例えば「こういう技術があるんだけど、日本向けにローカライズしてほしい」というリクエストです。また、提案としては、イスラエルのスタートアップ企業を日本に招待して2週間ぐらい滞在させ、日本のスタートアップとマッチアップしたらいい、というのがありました。

イスラエルにとって日本は大きな市場

谷口 今のところイスラエルのスタートアップは、成功するとアメリカの大手企業の資本が入って北米市場で展開することが多いけど、日本はそれとは違う市場として見てるんですかね?

安藤 そうですね。日本は人口がイスラエルの15倍ですから、国内にほとんど市場のない彼らにとっては魅力と受け取られています。あと、少数ですが日本に1~2年住んでいたことがあって日本語がちょっとできて「日本とビジネスしたい」という人もいて、びっくりしました。日本が好きだから、何か一緒にやりたい、と。

加藤 僕が榊原さんと安藤さんがイスラエルに行かれる前にアドバイスしたのは、親日の人のパワーを活用したらいいですよ、ってことだったんですけど、それを実感されたんじゃないですか。

安藤 紹介されたVCのなかに「SUSHI」ベンチャーズっていうのがあって、僕アポを取る段階では加藤さんから次々メールが来て、そこにアポ取りのメールを出すとどんどん返事が来るんでさばくのに精いっぱいで会社名まで確認してなかったんですが、いざ向こうに行ってよく見たら「スシ」。
これは違うだろう、って(笑)。でも親日なんだなと思ってお会いしたら、親日というよりはスシが好きなだけ。彼らは日本にブランチはないんですがイギリスとドイツにブランチがあって、扱う範囲も幅広く、一緒にヨーロッパでSVSをやろうという話が進んでいます。どこでやるかはまだ決まっていませんが。