3位は858.3万円で、トヨタ自動車だった。

 世界に誇る日本のトップ企業であるトヨタが3位、しかもグループ傘下の豊田通商に年収で劣るとは…と意外に思う人は多いかもしれない。しかし、注目すべきは従業員の数だ。

 トヨタの7万1373人という単体従業員数は、今回抽出した100社の中でずば抜けて多かった(2番目に多いのは、19位のデンソーで4万6272人)。この年収ランキングでは、持ち株会社など少数精鋭の企業の方が従業員の平均年収が高く、上位に入りやすい傾向がある。それにもかかわらず、これだけ多くの従業員を抱えながら、ベスト3に入る高い平均年収を記録している点に、トヨタの「雇用力」の強さを見ることができる。

 また、ランキングのトップ3のうち、2社をトヨタのグループ企業が占めていることになる。トヨタのお膝元である愛知県ならではの特性と言えそうだ。

 4位は854.4万円で、研磨材などの製造・販売を手掛けるフジミインコーポレーテッドがランクインした。同社の扱う精密研磨剤は半導体分野において世界トップシェアを占めている。昨年10月に公開した「年収が高い企業ランキング2020【愛知県・全100社完全版】」では、平均年収799.8万円で8位にランクインしていた。この1年でランキングを4位も上げ、平均年収も54.6万円上がっている。

 なお、今回、年収が700万円を超えた企業は24社だった。最後に、この24社について業種別の傾向を確認しておこう。

 業種別に集計すると、最も多かったのは「建設」で4社、続いて多いのは「輸送用機器」「ガラス・土石製品」でそれぞれ3社だった。

 内訳は、「建設」が名工建設(7位/843.6万円)、矢作建設工業(17位/740.5万円)、川崎設備工業(22位/704.0万円)、トーエネック(23位/703.3万円)の4社。「輸送用機器」は、トヨタ自動車(3位/858.3万円)、豊田自動織機(12位/769.4万円)、デンソー(19位/721.1万円)の3社となった。「ガラス・土石製品」はフジミインコーポレーテッド(4位/854.4万円)、MARUWA(9位/795.5万円)、日本ガイシ(13位/763.6万円)の3社だった。

(ダイヤモンド編集部 加藤桃子)