YouTube登録者37万人、Twitterフォロワー52万人でベストセラー『カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』著者のカリスマ保育士てぃ先生と、“ビリギャル”こと『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』著者の坪田塾塾長・坪田信貴さんがスペシャル対談!
従来のやり方にとらわれない子育て・教育方法を提唱するお二人が、「接する子どもの年代は違っても、子どもを伸ばすことの基本は同じ」と意気投合。それぞれの視点から、これまでの子育ての盲点を語ってくれました。子育て中のみなさんは必読。4回連続でお届けします!
(構成・小嶋優子 撮影・赤石仁)

子どもがテストで90点をとったとき、親が言うべき言葉、とるべき行動とは?

「すべて平均以上」をめざすときに起きること

――親は、子どもが自分の思う成長のしかたをしていないと不安に思ってしまいます。

坪田信貴(以下、坪田) 「平均点の呪い」っていうのがあるんですよ。

 たとえば、数学が苦手という状態で塾に来た子がいるとしましょう。そのとき親御さんは「せめて平均点くらいとれるようになってほしい」って言うんです。「1番にさせたい」とか「上位にさせたい」ならわかるんですが、なんで平均点を越えたいの?って、意味がわからなくて(笑)。

 これは僕の仮説なんですが、お母さんたちは、妊娠すると定期的な妊婦検診を受けるじゃないですか。そのときに、妊娠何週なら胎児はこれくらい、妊婦の体重はこれくらい、これ以上いくと太りすぎ、やせすぎとかのラインのなかにいることを求められる。つまり平均のなかにおさまることが、この子に不利益にならないんだという考えをたたき込まれるわけです。これを十月十日のあいだ続けたら、平均点の思想になるよなって思うんです。どう思います?

てぃ先生(以下、てぃ) それをそのまま、ずっと引きずっているママも多いと思います。2歳だけどトイレトレーニングが進まないとか。

坪田 ○ヵ月にハイハイができるようにならないといけないとか。

てぃ 保健所の方がおっしゃっていたのですが、2~3歳の定期検診で「積み木をちゃんと積めるかということをチェックされるよ」と聞くと、NGを出されないように子どもに積み木を積む練習をさせてから来る親御さんがいるそうです。ほんとは自然な状態で受けてもらわないと意味がないのに。

坪田 IQテストを受ける前にIQテストの対策をするのと同じですよね。

てぃ 普通じゃないと、怖いんでしょうね。

坪田 親御さん自身が平均点に呪われていて、それを子どもにも伝える。でもよく考えたら、すべてにおいて平均以上って優秀な人間ですよね。平均より上なんですから。でもそうなったら今度は「器用貧乏」って言われる(笑)。

てぃ 「うちの子は飛びぬけた才能がない」とか(笑)。

坪田 親御さんが平均にしたのにね。

子どもがテストで90点をとったとき、親が言うべき言葉、とるべき行動とは?
坪田信貴(つぼた・のぶたか)
坪田塾 塾長
これまでに1300人以上の子どもたちを個別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。「地頭が悪い子などいない。ただ、学習進度が遅れているだけ。なので、遅れた地点からやり直せば、低偏差値の子でも1~2年で有名大学、難関大学への合格は可能となる」という信念のもと、学生の学力の全体的な底上げを目指す。