例えば、株式を長期運用したときの利回りはおよそ8%とする。そこで72を8で割る。すると9という数字が出てくる。これは9年後には元本は2倍になることを示している。

◇分散投資でリスクを抑える

 具体的にはどのような投資をすればよいだろうか。大儲けできる投資もあれば、儲けの少ない投資もある。たとえば銀行預金は、損をすることはないが、利益は大きくない。

 リスクとリターンの関係は、多くの人が知っているように、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンだ。安全な投資はリターンが少なく、リターンが大きい投資は、大きな危険を伴う。

 これを「株」の取引で考えてみよう。株式市場で、堅実に稼ぐ方法、つまりリスクを抑える方法には「分散投資」がある。

 好きな会社1、2社の株だけを買うのではなく、10か20社くらいの会社の株を買う。業界やビジネスの形態もばらけさせたほうがいい。そうすれば、たとえどこかの会社の株価が下がっても、他の会社の株価が上がるなどして、全体としては大きな損失が出ないだろう。

◇積立投資で資産をつくる

 有効な投資法として、「バイ・アンド・ホールド」を推奨するアナリストも少なくない。これは頻繁に売買せず、買った(バイ)株をずっと保持し(ホールド)、配当や値上がりを待つという方法だ。

 とはいえ、多様化された「ポートフォリオ」(保有している株や債券の組み合わせ)を管理するのはかなり大変だ。

 この問題を解決するには、「投資信託」を買えばいい。投資信託とは、プロが投資家から集めたお金で、株式投資をする金融商品のことだ。投資家は、手数料を払うだけでプロが選んだ多様化されたポートフォリオを保有できるということになる。

 投資信託には、「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の2種類がある。アクティブファンドは、プロが独自に選んだ銘柄で構成され、市場平均を上回る運用成績を目指す。一方のインデックスファンドは、市場平均と同じような値動きになる銘柄で構成されている。