来る衆院選で、国民は何を基準に政党を選べばいいのか。ダイヤモンド・オンラインでは、全ての政党の政策責任者にインタビューやアンケートを申し込み、党としての基本理念と、その実現のために掲げる具体的な政策に的を絞って、詳しく聞いていく。政権与党である民主党の大塚耕平政調会長代理が、新生マニフェストの中身について語ってくれた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也 インタビュー日/11月29日)

プラットフォームが変わった
民主党の新生マニフェスト

――衆院選に向けたマニフェストは、これまでとどう変わっていますか。

おおつか・こうへい
参議院議員、民主党政調会長代理。1959年生まれ。愛知県出身。早稲田大学卒。83年日本銀行入行。2001年参議院議員初当選。民主党内閣では、内閣府副大臣(金融、郵政改革、地方主権推進、拉致問題担当)、厚生労働副大臣などを歴任

 2009年時のマニフェストには、野党として目指す政策について、ベスト・プラクティスの指針を盛り込みました。しかし、その後実際に3年間政権を預かるなかで、リアリティのある国の方向性を目指すことが必要になったこともあり、今回のマニフェストは当時とプラットフォームが少し違っています。

 政権与党になってから、マニフェストのパフォーマンスの中間検証は、断続的に行なってきました。この9月からは、前原誠司・前政調会長の下で私が事務局長を務めた党経済財政・社会調査会において、「マニフェスト議論のためのたたき台」を基に、次期衆院選に向けた議論が行なわれました。

 たたき台では、「人を大切にする社会」(子育て支援・生涯現役・人材重視社会)、「エネルギー革命」(グリーン・イノベーション=脱原発依存)、「新しい成長」(新しい経済成長と円高・デフレ脱却)、「国のかたち」(地域主権と統治機構改革)、「自立した国家」(環境変化に応じた外交・防衛政策の推進)を「重点5項目」としており、それらが今回のマニフェストに掲げた5項目に収斂しています。

 その5項目とは、「共に生きる社会」「新しい競争力は、人と地域」「原発ゼロで生まれ変わる日本」「平和国家としての、現実的な外交防衛」「政治への信頼回復は、身を切る改革から」といったものです。

 この中で、当初の「国のかたち」については、野田佳彦総理や党内関係者の意向で「政治への信頼改革は身を切る改革から」という項目に変えました。