ひろゆきが驚いた「イチローが高校生の脳裏に焼き付けた、ある言葉」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
38万部を超えるベストセラー1%の努力』では、彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「教え方がうまい人」は偉大

 世の中、個人として偉業を成し遂げた人はたくさんいます。彼らは、大きな記録を残したり、表彰されて名前が残ったり、後世に語り継がれるのだと思います。

 ただ、もっとすごいのは、自分の結果を相手にも出させるような人です。つまり、「教え方がうまい人」です。

 じつは、このほうが個人が成功するよりも難しいし、評価されるべきことなのではないかと思うんですよね。

 そして、その教え方が抜群にうまいなと思うのが、イチローさんです。

衝撃を受けたイチローの言葉

 去年、イチローさんが智弁和歌山高校の高校生に送った言葉が、とても話題になりました。

 それは、まず3日間、みっちりと練習に付き合うことからはじまりました。

 イチローさんは、最初のウォーミングアップの練習から、本気で取り組んだんですね。キャッチボールなのに、本番のように本気で投げる。それは、「ゆっくり練習を始めると、全力を出さないクセがつく」からだそうです。

 そうすることで、いざ、力を出さないといけないときに、本気を出すことができるというのです。

 そして、3日間、真剣な練習をやった最後に、

「ちゃんとやってよ」

 という言葉を伝えました。この一言に、非常に意味を持たせたのだと言います。

大事な言葉は「一言」だけでいい

 練習の1日目に「ちゃんとやってよ」と言っても、おそらく誰1人として響かなかったでしょう。

 しかし、3日間をかけて「ちゃんとやる」ということを一緒に体感して、そして最後に「(このように)ちゃんとやってよ」なのです。

 これ、子どもの頭に強烈に焼きつくんですよね。

「ちゃんと、って何だろう?」

「自分はいま、ちゃんとできているだろうか?」

 たった一言なのに、そうやって自分のことを振り返ることができるし、その言葉が一瞬で3日間の真剣な練習を思い起こさせる。

 言葉というのは、ダラダラ伝えてもダメなんですよね。

 だって、頭の中に残らないから。

 頭の中に焼き付けるのなら、重要な一言を言うことです。そこにいろいろ付け加えない。

 教えるのがうまくなりたいなら、これを意識すればいいんじゃないですかね。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。