集じん機の驚異的清浄化力でトンネルじん肺患者激減
トンネル工事では大量の粉じんが生じ、かつて作業者が「トンネルじん肺」に悩まされ、社会問題にもなっていた。この粉じん問題を解決したのが東京に本社を置く流機エンジニアリングのトンネル工事用大型集じん機である。
同社の集じん機は1分間に数千立方メートルをろ過できる性能を持ち、前が見えないような高い粉じん濃度でも出口清浄度を立方メートル当たり0.1mgというレベルにろ過できる。
「これは都内の外気よりもきれいな状態です。フィルターのみでここまで清浄化できるのは当社だけです。さらに工場用の微粒子対応集じん機ではクリーンルーム同等の0.01mg以下まで清浄化できます。これによりトンネルじん肺患者は100分の1に減りました」と、同社社長の西村司(47歳)※は少し誇らしげに語った。
※西村司社長には闘病中にもかかわらず取材をお受けいただき、その後、残念ながら病状が悪化し、21年4月6日に逝去しました。天賦の才ともいえる明るさと行動力を持った経営者でした。心よりお悔やみを申し上げます。現在は西村聡社長です。
現在、同社のトンネル用集じん機は20年以上にわたり国内シェア75%、海外で集じん機を用いる国・地域ではシェア60%を誇る。納入先は香港、中国、シンガポール、韓国、アルジェリアなどだ。
現在、最も有望なのは中国市場である。