日本の消費者物価は低迷続く
企業物価は40年ぶりの高騰
米国ではインフレ率が加速し、量的緩和縮小の加速や利上げの前倒しが市場の関心事だ。ワクチン普及に伴い経済活動が回復し需要が盛り上がる中で供給が追い付かず、原油や食料などの国際商品市況が高騰していることが一因だ。
その一方で日本の消費者物価の上昇率は一見、低位での推移が続いている。だが、BtoBの取引価格を表す企業物価は2021年10月には前年比+8.0%と、1981年1月(同+8.1%)以来、約40年ぶりの高さを記録した。
世界的な商品市況の高騰で10月の輸入物価(円ベース)が前年比+38.0%と、比較可能な1981年1月以降で最大の上昇幅になったことが背景にある。
販売価格への転嫁は徐々に進んでおり、2022年度に入ると特殊要因を除いた消費者物価の上昇率も日本銀行の物価目標である2%近くまで達する見通しだ。
夏の参院選では物価をめぐる対応が争点になる可能性もある。