JAL・ANAの航空機Photo:PIXTA

2021年度中の国際線回復は非常に難しいなかで、22年度にどのくらいの便が回復し、国際線の利用者がどの程度回復するかによってANAとJALの国際線戦略が再度練られることになる。世界の航空業界の勢力図もアフターコロナにおいては大きく変わる可能性が高い。アライアンス(航空連合)はどのようになるのだろうか。
※本稿は、鳥海高太朗著『コロナ後のエアライン』(宝島社)から一部を抜粋・再編集したものです。

ANAの国際線が今後
すべて羽田に集約されるのか

 2020年10月、ANAの国際線が今後すべて羽田に集約されるのではないかという報道が流れた。

 国際線の需要が回復に向かう際にはANA・JALともに羽田空港発着便からの運航再開が優先されることはまちがいないが、メキシコ、ベルギー、カンボジア、ミャンマーなど、国によっては羽田空港からの発着枠を配分されていない国があるほか、枠自体もかぎられており、羽田だけでカバーすることは難しい。

 また、首都圏と韓国・中国をむすぶ路線についても新型コロナウイルス感染拡大以降は、成田空港発着のみに制限されている。