2021年11月26日時点、ピッコマでは『俺だけレベルアップな件』など、総合ランキング10位までのうち9つの作品が韓国発のウェブトゥーンだ。LINEマンガの総合ランキングでも『喧嘩独学』『外見至上主義』といった韓国漫画が上位を独占している。また、昨年Netflixで配信されて社会現象になった『梨泰院クラス』も、韓国ウェブトゥーンが原作だ。

 いったいいつから、韓国発のウェブトゥーンは成長をみせていたのか。マンガ、ネット動画などのサブカルチャーを主要分野とし、日本に連載されている韓国のウェブ漫画に精通するライターの飯田一史氏に聞いた。

「ウェブトゥーンは、インターネットが登場した1990年代には生まれていました。当時は『オンライン漫画』『ウェブ漫画』という呼び方のほうが一般的で、主に個人がホームページに上げて楽しむものでした。2000年代に入って、韓国で大人向け漫画の主な発表媒体だったスポーツ新聞がWebでも同時連載を開始。日本のYahoo!JAPANなどにあたるNAVERのようなポータルサイトにも普及し始めました」

 こうしてネット上で漫画を目にする機会が増え、DAUM(のちにカカオと合併)やNAVERが運営するウェブトゥーンが投稿できるプラットフォームが整備され始めたという。

「翻訳された韓国作品が日本で一通り読める状況になったのは、2014年の日本版のNAVERウェブトゥーンの参入から。韓国のIT大手企業カカオの日本法人であるカカオジャパン(現カカオピッコマ)が2016年から展開するピッコマは、この5年で売り上げを伸ばし、2021年10月には累計ダウンロード数3000万件に到達。いまや日本の漫画アプリ市場でトップに立つほどに成長しています」

日本で韓国漫画が
人気になった理由

 漫画アプリ内でランキング上位を占めている韓国作品だが、飯田氏は「『作品が面白いから売れている』という見立ては半分しか正解ではない。韓国漫画は、売るために必要なすべての要素に気を配る“マーケティング”にたけている」と指摘する。

「具体的な要素の1つは各国の文化に合わせて作品を描き換える“ローカライズ”です。韓国の作品は、日本人が読んでも違和感なく受け入れられるように、作品内のキャラクターの名前が日本風になっていたり、食べ物や紙幣が日本のものに描き換えられていたりします。そのため、ユーザーは“韓国の漫画”と強く意識せずに作品の世界に入り込めるのです」