総予測2022#塩野義製薬Photo by Masato Kato

海外メガファーマ(巨大製薬会社)が開発で凌ぎを削る新型コロナウイルス感染症対策の「経口治療薬」と「ワクチン」。そこで日本の中堅製薬会社、塩野義製薬が挑み、実用化間近だ。特集『総予測2022』の本稿では、手代木功社長が抱負を語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

自社のコロナ経口治療薬
「世界3番目」でも商機あり

――開発に成功すれば、塩野義製薬のコロナ経口治療薬が2022年に実用化されます。米メルク、米ファイザーに次ぐ世界3番目での参入に商機は?

 メルクは22年に2000万人分、塩野義も22年は700万~800万人分作る。メガファーマ(巨大製薬会社)と比べてうちは小さな会社なのに、供給量ではそこまで遜色がない。

 低分子化合物ってもうからないから、世界中の工場はもう抗体医薬とか核酸医薬にシフトしてしまっているんです。

 われわれの薬が治療以外に予防投与の使われ方もされるとなると、治療薬三つを合わせても世界中に供給するのはつらいかもっていう量しか作れない。

――コロナワクチンは22年3月までの実用化を目指しています。こちらの市場は群雄割拠の状況です。

 これから面白くなると思います。