キリン、アサヒPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のビール編だ。

キリンの9月ビール販売数とアサヒの販売額の裏にある
「意外な逆転現象」とは?

 ビールの主要4社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯キリンビール(キリングループ)のビール類計販売数量
 7月度:前年同月比101%(1%増)
 8月度:同86%(14%減)
 9月度:同80%(20%減)

◯アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額
 7月度:前年同月比99%(1%減)
 8月度:同77%(23%減)
 9月度:同85%(15%減)

◯サントリー(サントリーホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
 7月度:前年同月比98%(2%減)
 8月度:同76%(24%減)
 9月度:同72%(28%減)

◯サッポロビール(サッポロホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
 7月度:前年同月比96%(4%減)
 8月度:同81%(19%減)
 9月度:同77%(23%減)

*「ビール類」とは、ビールに加えて発泡酒や新ジャンルを含む呼称。

 21年9月において、4社全てが前年実績割れを起こしている。4社の中でも比較的ダメージが少なかったキリンビールの販売数量と、アサヒビールの販売金額を深掘りすると、意外な「逆転現象」があることが分かった。