しかも、近所の日産ディーラーの44kW出力の急速充電ステーションの調子がいいのか相性がいいのか、30分ワンショットで15kWh前後がコンスタントに入る。e-208のバッテリー容量は50kWhなので、急速充電1回で3分の1近くが戻って来る感覚だ。街乗りだけの間はEVで十分、ゼロ・エミッション生活のハードルは想像以上に低いとすら感じられた。ちなみにe208は最大航続レンジとしてWLTCモード380kmを謳う。ちなみにバッテリー残量から表示される航続可能距離は、まだクルマが新しすぎて学習が効いていないため、フル充電で200kmちょっとと、新車から最初の1500kmぐらいはアテにならない。

プジョー e-208で
片道350kmの長距離行へ

208のフルモデルチェンジでガソリンモデルとともに登場した、EVモデルのe-208。スタイルや居住性などの基本性能は、ガソリンモデルとほぼ同等とされている。ガソリンモデルとの外観上の違いはボディ同色のグリル、見る角度で色が変わるエンブレム、Cピラーのeマークなど、細部のみとなる208のフルモデルチェンジでガソリンモデルとともに登場した、EVモデルのe-208。スタイルや居住性などの基本性能は、ガソリンモデルとほぼ同等とされている。ガソリンモデルとの外観上の違いはボディ同色のグリル、見る角度で色が変わるエンブレム、Cピラーのeマークなど、細部のみとなる

 その週末、宮城県菅生にある「スポーツランドSUGO」に用があって検索したら都内から片道350km程度。荷物も少なくないため、ひょんな気を起こしてクルマで行くことにした。50kWhの電力量すべてが駆動に回るわけでなく、WLTPもしくはWLTCの航続距離スペックは記録値のようなもので、現実の路上では1~1.5割引きと読むべきものだが、それでもその時は十分だと理性的に判断していたのだ。

 長距離行なので出発前日、たまには100%近くまで入れようと、近所の気の利いたコインパーキングつまり普通充電ステーションを使おうとしたら、あいにく黒いハイエースに占拠されていた。思えばこれがつまずきの元だった。

 バッテリー残量8割弱で出発して、最初の休憩と充電は、約120km進んだ常磐道・友部SAにした。4割ぐらいに減ったバッテリーが再充電で7割まで入るかと思いきや、11.2kWhしか入らず6割弱までしか戻らなかった。これまでの経験からバッテリー1割分=30㎞強で単純計算していた。すると航続レンジがビミョーに足りず、180km弱先の南相馬鹿島SAまで行きたかったのに、次の充電はその手前90kmほど、四倉PAにしかない。

 要は双六に例えれば、6コマ進むつもりが再充電のサイコロを振ったら4コマの目しか出せず、さらに充電器の間隔は6コマか3コマしか選べなかった、という話だ。先ほどまでオートエアコンとアダプティブクルーズコントロールもONのまま、ドライブモードもノーマルにしていたのを反省し、友部SAからはエコモードで自力&省電費走法を心がけた。

 すると四倉PAに着いて、メーターパネル内のバッテリー残量は3割ほど。だがここの急速充電器は50kW出力で、例のごとく30分ワンショットで14.8kWh、6割強まで入った。投宿先まではあと130kmほど。ギリギリ着けなくはなさそうだが、知らない街の夕方の交通量とか充電場所を考えると、高速道路でもう1回リチャージ、さらにホテル近くで翌日に備えて8割に近づけるしかない。