脳内までクラッシュしそうになった
2019年の正月

 一番大きな損失は2019年1月3日、年始早々の薄商いの中、米ドル/円が急激に暴落した「フラッシュクラッシュ」。たった15分間で2000万円が消えてしまった。脳内は真っ白。それはそうだろう。350万円を6倍以上に増やしたのに、たった15分間で――。

 しかしYSさんはFXをやめなかった。コツコツ投資に徹した。イギリスでEU(欧州連合)離脱強硬派のジョンソン氏の首相就任が確実になったときには英ポンド/円の取引、トランプ大統領時代は米ドル/円でコツコツ。

 徐々に資金量を上げ、1回のトレードで平均50万~100万円、最大400万円の利益を積み上げていった。ついに資産1億円を達成したのは4年後、31歳のときだという。

欲に負けたらおしまい、
熱くなったら退場

 成功した秘訣はどこに?

「資金管理と損切りルールを絶対守ること。それがすべて。欲に負けたらおしまい、熱くなったら退場。少しでも失敗したらルールを決め直す。

 感情や欲望は抑え、機械的なトレードに徹する。『ここはチャンス』と思えば大きく張り、『ダメだ』と感じたらすぐ逃げる。その繰り返しがトレード技術向上の秘訣です」

為替で利益をあげようと思うなら、この4つの指標は要チェック。表内の雇用統計に「毎月第1金曜日」とあるが、米国労働省が毎月12日を含む週に調査し、その3週間後の金曜日に発表のため、正確には「前月の12日を含む週の3週間後の金曜日」為替で利益をあげようと思うなら、この4つの指標は要チェック。表内の雇用統計に「毎月第1金曜日」とあるが、米国労働省が毎月12日を含む週に調査し、その3週間後の金曜日に発表のため、正確には「前月の12日を含む週の3週間後の金曜日」 拡大画像表示

 普段から、自分なりに「このニュースが出たら為替はどう動くかな」という観察眼を磨くことも勧めてくれた。

 YSさんは、世界の経済ニュースや政治家の言動などを見て売買計画を立てるタイプだ。

「時の米国大統領や中央銀行トップの発言などに注目して、『この人はこんなことをしたいんじゃないのか』と自分なりに考えます。次に、『だったら為替レートは、こんな動きをするかも』と予想しつつ値動きを観察します。

 ある程度、経済ニュースと為替レートの関係性がつかめたら、『世界中の投資家はこの場面で買いたいのかな、売りたいのかな』という投資家の心理状態を読む練習をしました。観察、予想、その結果を検証。何度も繰り返しました」