発信力を売り上げに結びつけるには

酒井 SNSでファンを増やすだけではなく、売り上げにまで結びつけるにはどうすればいいのでしょうか?

TSUKASA. ファンがつくにも理由があります。ファッションが素敵とか、顔が好みとかいろいろあると思うのですが、最も重要なのは、その人の発信する情報の信頼性です。

 信頼を得るには、自分というキャラクターに責任を持つことです。ファンは敏感です。会社に頼まれて発信しても響きません。毎日パンツスタイルを貫いている人が、突然「このワンピースかわいくないですか?」と言い出したら、これは会社に言わされてるやつだとすぐに気付いてしまうんです。

 ファンが自分に求めていることは何か。そして、その商品を自分が紹介する意味は何か、「常に自分のキャラクターを考えて投稿しよう」と伝えています。

酒井 アドバイスの内容がもはや芸能事務所です。

他の誰かによって作られた成功パターンより自分を知ることが大事

酒井 ターゲットの違いによってウケる媒体や投稿内容が違ったりするのでしょうか?

TSUKASA. 若年層なら圧倒的にTikTok。30代女性の場合、インスタで顔出ししていない方を好む傾向も見られます。

 とはいえ、正解はありません。ターゲットにもよるし、発信者本人がどういう個性を持った人かにもよる。その人によって勝ちパターンが全く変わってくるので、成功パターンよりもまずは自分を知ることが大事です。

 その上で、一つひとつの投稿を振り返って仮説を立て、いい結果が出たら繰り返し、ダメだったら何がダメだったのか考えて改善していく。投稿するたびにコツコツ成長していくイメージです。

酒井 自分自身を客観的に見て検証するって難しいですよね。

TSUKASA. そのお手伝いをするのが、われわれスタッフサクセスチームです。「あなたはここが素晴らしい」「ここが人と違っていて、お客さまに求められてるんだよ」と客観的にアドバイスをすることで、自分が人にどう見られているのか、どこが長けているのか気づいてもらい、その個性を強みにしていきます。

 面白いことに、店での接客は苦手だったのに、デジタルの接客はめちゃくちゃ得意で成績を上げていくスタッフもたくさいいるんです。次世代のスターですよね。