オービックが「驚異の高利益率」を維持できるビジネスモデルの秘密Photo:PIXTA

筆者の新刊『見るだけで「儲かるビジネスモデル」までわかる 決算書の比較図鑑』では、ひと目で会社の儲けの構造やビジネスモデルの違いが分かるように、さまざまな会社の決算書を図解して比較している。今回は、ITベンダーのオービックと日鉄ソリューションズの決算書を比較し、SIerである日鉄ソリューションズの決算書の特徴と、ERPパッケージを主力製品とするオービックの高い収益性の理由を探ってみよう。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介) 

日鉄ソリューションズに見る
SIerならではの決算書の特徴とは?

 今回は、ITベンダーである日鉄ソリューションズとオービックの決算書を比較してみよう。

 日鉄ソリューションズは、旧新日本製鐵の情報通信システム部門と、システム子会社の新日鉄情報通信システム(ENICOM)を主な出自とするシステムインテグレーター(SIer)だ。一方のオービックは、中小企業向けのERPパッケージ(統合基幹業務システム)である「OBIC7」や、財務会計ソフトウエア「勘定奉行」を主力製品とするソフトウエア会社である。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により注目されるITベンダーだが、決算書にはどのような特徴が表れているのだろうか。

 以下の図は、日鉄ソリューションズの決算書を図解したものだ。

 貸借対照表(B/S)の左側(資産サイド)において最大の金額が計上されているのは、流動資産(約1720億円)だ。流動資産の内訳を見てみると、金額の大きい順に預け金(約740億円)、受取手形及び売掛金(約610億円)、仕掛品(約280億円)となっている。