「母乳育児だったのもあり、卒乳するまでは(夫に)なかなか赤ちゃんの面倒をみてもらえませんでしたね。泣いたらすぐ『おっぱいほしいみたい』と私にパスだったので……」

 また、産後に夫が2カ月育休をとったという女性(都内在住、3才・1才の母)は、「夫婦での育休とはいえ、夫に育児はほとんど任せられませんでした。夫の抱っこだと赤ちゃんが泣き止まなくて、結局『私がなんとかしなくちゃ』と思ってしまうんですよね。今となっては私ももっと任せればよかったな、と思いますが、当時はそんな余裕もなくて」と振り返る。

 そのほか、「純粋に赤ちゃんと一緒にいたい気持ちで育休をとってくれた夫ですが、家事も育児も全力でやりすぎたのか、赤ちゃんとお昼寝したら、そのまま夕方遅くまで起きてこないことが多くて……。私ひとりでも変わらなかったかも、と思うことはありました(笑)」(神奈川在住、0才の母)

 などの声や、夫が1週間の育休中に友達と遊びに行ってしまい「そもそも家にいなかった」(都内在住、10才・6才の母)という声も。「なぜか当時はダメと言えず、家事も育児もひとりでやっていた」という。

 また、「夫に当事者意識をもってほしい」という声も目立った。

「夫が調べることといったら、『3才からの教育』『○○大学に行かせるには』ばかり。それよりも、今! 現在! わが子をどうやってあやしたらいいのか、何をしたら危険なのかを調べてほしかった」(都内在住、3才・1才の母)

「『オムツの替え方ってこう?』『ゲップさせるときの体勢大丈夫かな?』『抱っこのやり方合ってる?』など、すべてを私に確認してくるので、『私だって産院でちょっと教えてもらっただけで、わからないよ!』と爆発しました」(都内在住・0才の母)

産後の女性に起きがちな
「心の変化」の正体

 ところで産後の女性には、ある変化がある。

“愛情ホルモン”の分泌が増して、赤ちゃんには愛情をそそげる一方、子育てを妨げる存在にたいしては強い攻撃心を抱くのだという。

“愛情ホルモン”の正式名称はは「オキシトシン」という。医学的な詳しい説明は割愛するが、このホルモンの影響でたとえ夫であっても、育児に非協力的な人は「攻撃の対象」となり、イライラ感が強められて夫婦関係の破綻を招く恐れもあるという。
*参考:NHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫る ニッポンの子育て」

 女性のストレスはこうしたホルモンの影響もある一方で、男性にとっての「落とし穴」は、育休をとったという事実に安心し、それに気づけないこと。

 妻はこの時期、自分のなかのモヤモヤと向き合う余裕もない。また、夫が“まったく何もしないわけではない”場合、「夫なりにがんばってくれているから」と、多少のストレスは飲み込んでしまうことが多い。

 結局育休の形は、なにがベストなのだろうか。