エレア派の祖・パルメニデス
もう一人はパルメニデス(BC520頃-BC450頃)です。
南イタリア(当時はマグナ・グレキアと呼ばれたギリシャの植民地でした)の都市エレア出身の彼は、「あるは、ある。ないは、ない」という詩を遺しました。
これは、世界は始めも終わりもない永遠不滅の一体的な存在であるという一元的な存在論です。
したがって、世界は変化や運動を被(こうむ)ることなく生成消滅は否定されることになります。
パルメニデスはエレア派の祖となりました。
エレア派は、感覚よりも理性に信を置いて、理性が把握する不生不滅(ふしょうふめつ)の「有る」べき世界と人間が感覚で把握する生生流転の現実世界という二重構造を示しました。
この本では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を出没年つき系図で紹介しました。
僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。
(本原稿は、11万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)