「PER」って何?実はよく知らない、投資成功率を上げる最重要指標の活用法写真はイメージです Photo:PIXTA

株価の適正水準を考える際、最重要なのはPER(株価収益率)だ。しかし、これには留意点も多いので、注意が必要だ。今回はPERの活用法を解説しよう。(経済評論家 塚崎公義)

株価判断の最重要指標、「PER」とは?

「PER」(株価収益率)は、株価を1株当たり利益で割った値のことである。これは、株価が適正水準であるか否かを判断する際の最重要指標だ。

 利益は、配当にしても内部留保にしても、いずれにせよ株主のものであるから、PERは「利益額が変動しないと仮定すると、投資金額が何年で回収できるか」を計算したものであるといえよう。

 見方を変えると、PERの逆数は「投資に対する毎年のリターンが何%なのか」を示すものだ。これは「益利回り」と呼ばれ、「PERが20倍なら益利回りは5%(20分の1)であり、預金利息よりはるかに高い」といった比較をする材料になる。投資家は、株式投資をする際にこの指標を重視している。

 実は、筆者は益利回りが重要だと考えている。筆者が「益利回りが高いから買おう」と思っていることを、世の中では「PERが低いから買おう」と表現しているだけのことだ。

 ちなみに、内部留保は投資家に手渡されるものではないが、株主の財産が増えるという点では配当と同じだ。会社が解散する際には株主のものとなるわけだし、解散せずともいつかは配当に回されるはずだ、と考えてもよい。内部留保にされた資金で工場が建てば、その工場が利益を生むので株価を押し上げるはずだ、と考えることもできる。