解剖的観察
商品の中身やパッケージ上の情報などにはどのようなものが記載され、存在している理由はなにかを理解する。

系統的観察
創業期に立ち戻って、そこから現在に至るまでの経緯を理解する。あるいは創業に影響を与えた文脈を調べる。

生態的観察
商品の製造現場、販売されているスーパーマーケット、廃棄物の行き先や循環のあり方、事業が生態系に与える影響などのつながりをたどる。

予測的観察
データから未来への動向を集めて読み解き、未来の状況を推測する。そして「ありたいシナリオ」を描く。

ブランディングで重視すべきポイントは?

 私たちはこれら四つの観察を、あらゆるプロジェクトで行っています。特にブランディングでは四つの観点の中で「系統的な観察」を重視します。なぜなら創業の思いなど、その企業の根源的な願いを引き受けることで、初めて未来にバトンをつなぐブランディングの道筋が立つからです。

 優れた事業はたいてい、素晴らしい理念とともに始まっています。秋川牧園も例外ではありません。彼らのリブランディングでは、創業者の父である秋川房太郎さんの力強い言葉に、柱となるヒントがありました。

「口に入るものは間違ってはいけない」

 うーむ。どんな時代の食品製造者にも聞かせたい、普遍的な言葉ですね。こうした根源的な願いを掘り起こし、改めて現代とつなげ直すことが、リブランディングの一つの目標になります。