自前のメタバースは構築しないが、デバイス対応はあり?

 とはいえ、ビジネス的な観点から見れば、アップルにとってもメタバース関連の市場が魅力的であることには変わりない。同社は90年代に独自のオンラインコミュニケーションサービスとして、町のメタファーを用いたeWorldを展開したことはあったが、メタバースに関して自ら同様のサービスを構築することはないだろう。

 しかし、条件さえ整えば、他社のメタバース環境で自社のVRゴーグルなどが利用されること自体を拒む理由はなく、メタバースを提供する企業も、自社製デバイスのみの対応を問題視されることを避ける意味で、これを歓迎する(あるいは、受け入れる)可能性はありそうだ。

 いずれにしてもアップルは、メタバースと距離を置きながらも、自社のビジネスに利用するための方策を着々と準備中だと考えるべきなのである。