会社員の年末調整はアバウトな確定申告

 ところで、確定申告といえば自営業者が行うものというイメージを持っている方が多いかもしれません。実際、自営業者は確定申告を行うことが義務付けられています。

 一方、会社員やパートタイマーなどの給与所得者も、1年単位で所得税額を確定させている点は変わりありません。それが年末調整です。給与や賞与の支給時に所得税を概算で天引き(源泉徴収)しておき、12月にその過不足を精算します。つまり、年末調整で確定申告を行っているのです。

 ただし、年末調整済みの給与所得者であっても、本来の確定申告をすることで税金が戻ってくる人がいます。というのも、前記した「所得控除」「税額控除」の全種類が適用されるかチェックして計算しているわけではないからです。

 年末調整で所得控除をしてもらえるのは、たとえば所得控除であれば14種類のうち11種類のみです。もし残り3種類の所得控除を適用できる場合は、年末調整を済ませていても、自分で確定申告をすることで何万円、何十万円と税金が戻ってくる可能性があるのです。

 もちろん、自営業者にとっても、該当する控除の有無は最重要ポイントです。見逃している控除があれば、所得から差し引けなかった分、多く所得税を納めることになります。