米利上げ後の過去5回は「ドル安円高」、経験則は今回も信用できるかPhoto:PIXTA

過去5回の米利上げ開始後
ドル円はドル安円高の動き

 米連邦準備理事会(FRB)は、早期の利上げ開始を視野に入れている。パウエルFRB議長は、1月11日の上院公聴会で「年内に利上げを始め、おそらく年後半に保有資産の縮小を始めるだろう」と述べた。米連邦公開市場委員会(FOMC)複数のメンバーは、3月の利上げ開始を主張している。

 FRBが資産買入を終了させ、3月にも利上げを始めることを市場は織り込んでいる。米ユーロドル金利先物からみると、市場は、2022年と2023年にそれぞれ1.1%程度、0.6%程度の利上げを想定している。

 米国の利上げは、ドル高円安要因であるとの解釈もある。米政策金利の予想を反映する米2年金利が、2021年9月の0.2%台から1.0%台に上昇するのに沿って、ドル円は111円から一時116円台までドル高円安が進んだ。

 しかし、過去5回の米利上げ局面をみると、利上げ開始後は、ドル安円高になりやすい。過去5回の利上げ開始から100営業日後までのドル円をみると、5回ともドル安円高の結果となり、平均して10%程度のドル安円高が進んだ。とはいえ、過去の米利上げ開始局面の経済環境は、それぞれ違うため、米利上げ開始後は機械的にドル安円高になるとは限らない。