デジタルの力で、従来は想像もできないようなことが実現するのがDX

 では、この付箋アプリで体験いただいた内容を、冒頭のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に当てはめて考えてみましょう。

 1、付箋という従来からある文房具で行なっていたメモという作業を、Google Keep というアプリでやってみる:ツールの置き換え
 2、付箋にメモだけでなく、写真を何枚でも追加できる:付箋の機能がパワーアップ

 ここまではデジタル化(デジタルシフト)と言います。紙がアプリに変わることで、たしかに付箋の機能は豊富になりましたが、あなたの業務を大幅に変革するほどのインパクトはまだありません。

 先ほど、従来のオフィスソフトとメールソフトを使用した仕事の進め方を例に出しましたが、これも紙と鉛筆をパソコンに置き換えた「デジタル化」であって、「DX=業務上の【問題】をデジタル活用で解決し、生産性を劇的に向上し、ビジネスモデルを変革する」ではありません。

 次の段階以降がいよいよDXなのです。

 3、付箋を遠く離れたメンバーに共有することができる:あなたとチームの移動や連絡の手間が減り、意思疎通のスピードが劇的に変化する

 勤務時間の使い方、つまり働き方にも変化が生まれましたね。

 さらに、Google Keep の共有機能をもっと活用してみましょう。

 4、チーム内で、他のメンバーに見てほしい資料やWebサイトを、デジタルの付箋を使って自由に共有するルールをつくる:若手から中堅社員まで自由に意見が出し合える土壌が生まれ、新しいサービスが生まれた

 ここまで到達できたなら、あなたの組織のDXは大成功です!

 そんなうまい話が、と思われるかもしれませんが、これからご紹介するのは茨城県のとある物流会社で実際にあった話です。

 今までは海上コンテナの荷札をスタッフが現場まで行って回収し、手作業で入力していました。移動の労力もさることながら、入力ミスも発生していました。

 これをスマートフォンで撮影し、Google Keep で離れた事務所に瞬時に共有するようにフローを改善した結果、圧倒的な時短を達成

 海から遠く離れた栃木県佐野市で、市主体の海上コンテナ基地を運営するまでになりました。この企業は、昨年「全国中小企業クラウド実践大賞」で表彰されました。

 うちは企業の規模が小さいから。職人が主体の現場仕事だから。

 そんなことは関係ありません。

 机の上を整理するために使い始めた付箋アプリの Google Keep ですが、使い方次第で想像もできないような成果を生み出すことができるのです。

 Google の他のアプリも同様です。使い始めるのはカンタンですが、一つひとつがあなたの組織でデジタル・トランスフォーメーションを実現させる可能性を秘めています。

 家族とのコミュニケーションも知らず知らずのうちにDXに進化しているのに、仕事のやり取りはなぜ20年前のままなのでしょうか。

 分かれ道はたった一つ。始めるか、始めないかだけです。

 もっと知りたいと思った方は、拙著『Google式10Xリモート仕事術――あなたはまだホントのGoogleを知らない』でを、ぜひご一読いただきたいです。Google アプリの単なる機能紹介、操作説明ではなく、場面に応じて生産性を劇的向上する活用術、DXを実現するための方法をたくさんご紹介しています。

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