しかし、そこにアメリカやイギリス、それに豪州やインドなど、いわゆる「外交ボイコット」に踏み切った国々の代表者の姿はない。パリでの夏季オリンピックを控えたフランスも担当相を派遣したものの開会式には出席せず。

 その一方で中国は、外交部が発表した「来賓者リスト」の筆頭に、ロシアのプーチン大統領の名前を記載して歓待した。

 そして、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、それにカザフスタンといった中央アジアの親中派の大統領も招待した。

 雪と氷をあしらった演出に包まれ、美しい花火が北京の夜空を焦がした開会式は、バッハ会長の長い挨拶とは裏腹に、中国&ロシアチーム(専制主義の大陸国家群)とアメリカチーム(民主主義の海洋国家群)に色分けする式典となったのである。

手を組んだ
二つの専制主義国家

 中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領。二人は開会式に先駆け、釣魚台迎賓館で首脳会談に臨んだ。二人は、過去に37回も会談している。

 38回目となる会談では、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大、言い換えればウクライナのNATO加盟に反対し、アメリカ主導の中国包囲網にも反対することで一致し、アメリカチームに対する共闘姿勢を、共同声明発表という形で誇示した。

 それだけではない。