物流危機#6Photo:kyodonews

個人事業主の軽貨物ドライバーの間では、フードデリバリー大手の出前館が年末年始に大人気だった。新規ドライバーを獲得するために配達報酬を大盤振る舞いしたからだ。その人気は続くのか。特集『物流危機』(全14回)の#6では、ドライバーが本音を丸出しに、宅配・デリバリー各社の人気を序列化した。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

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5分の距離で配達報酬1500円
出前館の大盤振る舞い

 コーヒーを5分かけて200メートル先へ届けるだけで、報酬約1500円。個人事業主の軽貨物ドライバー「軽貨物のおもたろう」(SNS上での仮名)さんは、フードデリバリー大手である出前館の大盤振る舞いにホクホク顔だった。

 おもたろうさんは2021年11月ごろから、出前館の業務委託を受けるようになった。それまでは東京都内で約3年間、SGホールディングス傘下の宅配大手である佐川急便の業務委託を請け負っていた。埼玉県への引っ越しを機にフードデリバリーに切り替えたところ、“出前館バブル”を享受できた。

 出前館は新規配達員獲得のため、21年11月~22年1月にキャンペーンを実施した。新規配達員は1件当たりの基本報酬が30%上がった。おもたろうさんのエリアは基本報酬が税込み715円。さらに「ブースト」と呼ばれる繁忙時間帯のインセンティブがあり、1月末までのブーストは「基本報酬×3倍」となるケースも。まさにバブルである。

 この大盤振る舞いに、SNS上では「出前館の先行投資祭」と騒がれた。

 おもたろうさんの生活や月当たりの稼ぎは佐川急便時代とどう変わったのか。ドライバーたちに人気の宅配・デリバリー会社はどこなのか。