「大枠をつかむ」ポイント1
状況や会話の文脈から連想する
「tap」と聞いて思いつく言葉は何でしょうか?
「タップダンス」や「画面をタップする」など、自分が知っている「tap」という言葉について考えてみます。「タップダンス」は、靴で床をたたいて音を立てながら踊るダンスです。「画面をタップする」は、スマホの操作などで画面を軽くたたくことですね。ここから「tap」は、「軽くたたく」というイメージが浮かんできます。
「軽くたたく」ということは、「必死ではない」ということが想像できます。サッカーに関する話なので、「たたく」対象はおそらくボールなのでしょう。そして、ボールは「たたく」というよりは、「足で蹴る」ですね。
そんなふうに連想していくと、「ボールを軽く蹴った」というイメージが固まってきます。そして、ゴールを決めた選手へのインタビューなど、会話が行われている場の状況や、会話の前後の文脈から、おそらく「軽く蹴ったらゴールが決まった」というような話なのだろうと想像しながら、「大枠をつかむ」ことができるのです。
「大枠をつかむ」ポイント2
似ている言葉から見当をつける
実は、麻也さんと対談でお話しているときに、私は最初、「deflection」を「reflection」と聞き間違えてしまいました。
この2つの言葉に共通している「flection」は、「たわむ」「曲がる」という意味です。この言葉が入っていることから、「deflection」がサッカーの世界で何を意味するかは知らなくても、「どうやら何かが曲がったらしい」ということは想像できます。
「lucky by deflection」(deflectionでラッキーだった)と話しているということは、「曲がったことで何か良いことがあった」→「試合で良いことというのは、得点や試合が有利になることかな?」のように、知っている言葉や似ている言葉に共通する要素から想像力を働かせ、「なんとなく」の見当をつけながら、話の流れをつかみます。
「大枠をつかむ」ポイント3
言葉の使われ方を手がかりにする
私は、「bow」という英単語が、サッカーの文脈で何を指すのか知りません。
ただ、「bow」が「弓」という意味であることは知っています。また、麻也さんが出してくださった表現の例では、「Today's pitch is bowed.」と受け身系で使われています。言葉が受け身系のときは「状態」を表している表現であることが多いため、ここから「弓のように弧を描いている状態」を表しているのだと想像できます。
「Pitch(グラウンド)が弧を描いている…?」。サッカー音痴の私にはやはり難しいのですが、とにかく「真っすぐでない状態」であることは見当がつきます。このように、受け身系で使われているなどの言葉の成り立ちから「手がかり」を見つけ、意味を探りながら、話の大枠を見失わないようがんばるのです。