2012年も年の瀬を迎えている。「新語・流行語大賞」と「今年の漢字」を報道で知り、今年1年に思いを馳せた人も多いのではないだろうか。東日本大震災が起きた激動の2011年と比べ、今年は「インパクトの少ない年だった」と言う意見も多い。消費税増税をはじめ、懐が寒くなるような景気の悪い話題も相変わらずあるが、専門家の話では「抑えの効いた贅沢感」が消費者マインドに芽生え始めた年でもあったという。閉塞感に苛立ちを募らせながらも、日本人には心理的な変化の兆しも見え始めている。2012年の流行や出来事を振り返ると共に、来る2013年の行方を分析しよう。あなたは“チェンジの黙示録”を見つけることができるか。(取材・文/プレスラボ・宮崎智之)

ワイルド、ロンドン五輪、iPS細胞
2012年を彩ったフレーズや出来事たち

 毎年年末になると、「新語・流行語大賞」や世相を表す「今年の漢字」が発表される。2012年の「新語・流行語大賞」は、お笑い芸人・スギちゃんの「ワイルドだろぉ」というフレーズ。はたから見るとちっともワイルドではない事柄を自慢げに話す芸風が笑いを誘い、一躍お茶の間の人気者になった。

 一方、「今年の漢字」に選ばれたのは「金」という文字だ。主催する日本漢字能力検定協会によると、今年は金環日食が大きな話題になったほか、ロンドン五輪での金メダル獲得(金7個、銀、銅メダルを合わせると38個で過去最高)や、iPS細胞の研究により山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞するなど、「金字塔」を打ち立てる事柄が多かったことが影響したという。

 また、生活保護費の不正受給など、お金にまつわる負のイメージが強い問題が多数あった年でもあった。

 さらに、事件関連の大きなニュースとしては、オウム真理教の指名手配犯が相次いで逮捕されたことをご記憶の人も多いだろう。昨年の大晦日に自ら出頭した平田信被告をはじめ、菊地直子、高橋克也両被告と、長期間逃走していたオウム真理教事件関連の指名手配犯が全員逮捕されるに至った。