「貧困男子」が社会問題に!
単身社会の行く末

 女性の貧困問題は古くて新しい問題だ。それに比べ「シングル男性の貧困」は、これから見つめなくてはならない新しい問題といえる。

 2007年の政府統計から、65歳以上の男性未婚者の貧困率を調べるとなんと40%にものぼる。妻のいる高齢者の割合(16.6%)を大きく上回る数字だ(出典:藤森克彦「低所得高齢者の実態と求められる所得保障制度」(『年金と経済』 Vol.30 No.4、公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構2012年1月)。

 今のところ、65歳以上の男性高齢者に占める未婚者の割合は2.4%にすぎない。でも、2030年になると、この割合は10.8%になると予測されている。また、国立社会保障・人口問題研究所によれば、2030年の50~60代男性の4人に1人がひとり暮らしになる見込みだ。2030年の50~60代というのは、ちょうど今の30~40代に当たる世代だね。

 今後、高齢の未婚男性が増えれば、それだけ男性の貧困問題も深刻化する可能性がある。

 もちろん、「男性未婚者と貧困率」をめぐる数字には、複雑な事情がひそんでいる。日本はまだまだ男性を一家の稼ぎ手としている社会。このため、女性の場合は「未婚だから貧困に陥りやすい」という側面があるけれど、男性の場合は、「貧困だから未婚」というケースもあるのかもしれない。

 ただ、ひとり暮らしの人は病気したり、失業したりしても、同居人のサポートを得られない。その結果、貧困に陥る人が少なくないのは、見落とせないポイントだ。

 いずれにせよ、非正規労働に従事してきた人々が高齢期を迎えたときには、高齢男性の貧困問題は、さらに深刻化している可能性がある。

誰がいつシングルになっても
生きていける年金制度を

 じつは、日本はすでに高齢者の貧困率がかなり高い国なんだ。65歳以上の高齢者全体で見ると、女性の貧困率は約25%。4人にひとりの高齢女性が貧困状態ってことだね。男性は18%で5人にひとり。高齢者全体の平均貧困率は22%だ。OECD加盟国の平均は13%だから、日本は9ポイントも上回っていることになる。

 今後、ひとり暮らしの人が増え、それとともに貧困率が上昇したら、日本社会はどう対応すべきなんだろうか?