3月8日は国際女性デーです。男女雇用機会均等法が施行されてから30年以上たった今も、日本企業における女性活躍については解決すべき問題が山積しています。その一つが、女性管理職が増えないことです。世界的に見ても管理職に就く女性の比率が少ない日本。女性管理職登用が進まない問題点とは何か、そしてこれから経営層や上司が取り組むべき対策について解説します。(リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント 武藤久美子)
日本の女性管理職の比率
156カ国中139位
内閣府の「令和3年版男女共同参画白書」によると、平成から令和にかけて、日本の女性管理職比率は増加傾向にあります。しかし、2003年に政府が掲げた、「2020年までに指導的地位の女性比率を30%にする(通称202030)」という指針は達成されず、先送りされました。
国際的に見ると、世界経済フォーラムが2021年に発表したジェンダー・ギャップ指数(GGI)は、156カ国中120位です。中でも、管理的職業従事者の男女比※は、同139位という状況にあります(‘Global Gender Gap Report 2021 INSIGHT REPORT MARCH 2021’,World Economic Forum/「管理的職業従事者」の訳は令和3年版男女共同参画白書に倣って記載)。
※GGIは、政治、経済、教育、健康の4分野から構成されるが、管理的職業従事者は経済分野の1要素
筆者も企業の経営者や人事担当者から、「女性活躍を力強く推進してきたが、以前と比べてその勢いが鈍っている」「女性活躍をうたっているし、実際に法律や政府の要請には応えているが、それ以上でもそれ以下でもない」といった、女性活躍推進の踊り場感や停滞感を抱く声を聞くことがあります。女性活躍推進の中で企業が一番意識しているといえる女性管理職比率についても例外ではありません。
このように、女性管理職登用が思うように進まない(女性管理職比率が思うように上がらない)背景には何があるのでしょうか。