ダイエット中の人こそ
摂取したい「良質な脂質」とは

 ダイエットでは、良質な脂質の摂取も欠かせない。体脂肪率が気になる人は、脂質を制限しようとしがちである。しかし脂質を極端に制限すると、脂肪は燃えなくなってしまうのだ。

 確かに、トランス脂肪酸のような脂質は、悪玉コレステロールを増加させたり血管疾患のリスクを上昇させたりしやすい。しかし、多くのナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は良質な脂質だ。オメガ3系脂肪酸やオメガ9系脂肪酸には、悪玉コレステロール増加予防や血行改善、脂肪燃焼などの効果が期待される。

 脂質だからといって、ダイエットの敵とは限らない。良質な脂質を選べば、ダイエットをサポートしてくれるのだ。

 ただし、ナッツ類の摂取には注意が必要だ。ナッツ類には栄養が豊富に含まれているため、カロリーや脂質が高いものが多い。体に良いからといってナッツを食べ過ぎると、太ってしまう恐れがある。良質な脂質だとしても、過剰摂取は健康を損なうというわけだ。

 塩分や糖分が添加されているナッツにも要注意。ナッツはひとつひとつが小さいため、つい食べ過ぎてしまいがちだ。自分では気づかないうちに、塩分過多や糖質過多に陥っているかもしれない。

 運動やダイエットのサポートとしてナッツ類を摂取するならば、味付けがされていないものを選ぶのが安心だ。摂取量に関しては農林水産省が提唱しているように、「間食は1日200kcal以内」を目安としてほしい。ナッツの歯応えを楽しむためにもダイエットのためにも、よく噛んで食べると食べ過ぎ防止につながるだろう。

 ナッツ類には高い健康効果があり、運動との相性も良い。健康的なダイエットを成功させるためにも、ナッツ類を上手に取り入れてみてはいかがだろう。

【参考書籍】

『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』(サンジブ・チョプラ著、ダイヤモンド社)