ロシアによるウクライナ侵攻を巡るニュース一色の中、国内政治では自公連立に国民民主党を加えた「自公国3党連立」構想がジワジワと進行中だ。国民民主の自民への急接近は突如として表面化した。2022年度政府予算案に賛成したからだ。国民民主党代表の玉木雄一郎は2月22日、衆院本会議の賛成討論で理由を語った。
「ガソリン税のトリガー条項凍結解除によるガソリン値下げを岸田文雄首相が検討すると明言した」
しかし、反発が続出した。
「首相指名選挙で岸田氏と書くことと等しい。野党としてあり得ない」(立憲民主党代表の泉健太)
確かに必要な財源が3600億円とされるガソリンの減税と、総額107兆円余の政府予算案の賛成では全く釣り合いが取れない。元財務官僚の玉木は百も承知だったはずだ。トリガー条項の凍結解除はあくまでも自民党との政策協議開始の“隠れみの”にすぎない。
ここまでの流れを見ると、国民民主側が前のめりになっている印象を与えるが、実は最初に仕掛けたのは自民党だった。それもかなり以前に仕掛けが始まったようだ。