公明党代表の山口那津男(手前)。左は首相の岸田文雄。自公連立が選挙協力を巡って関係がこじれてしまい、山口が“縁切り宣言”とも取れる発言をするなど、試練に直面している公明党代表の山口那津男(手前)。左は首相の岸田文雄。自公連立が選挙協力を巡って関係がこじれてしまい、山口が“縁切り宣言”とも取れる発言をするなど、試練に直面している Photo:JIJI

 岸田文雄政権の行方を左右する参院選まで約5カ月。ところが自民党の選挙態勢がいまだに整わない。参院選の前哨戦ともいえる長崎、石川両県知事選では保守分裂のまま投票日に向かう。自民党内からも「本当に参院選までに間に合うのか」(党長老)の声が漏れる。

 2月3日に告示された長崎県知事選では、4期目を目指す現職の中村法道(71)と医師の大石賢吾(39)=維新推薦=が激しく争う。中村を支持するのは元地方創生担当相の北村誠吾ら。一方の大石には現職の農林水産相、金子原二郎が付く。自民党長崎県連が真っ二つに割れた状態で、20日の投開票日が迫る。中村は鳩山由紀夫政権が誕生し、野党に転落した自民党が勝利した初めての知事だった。

「あの苦しい時代に共に力を合わせて知事を誕生させたことを忘れたのか」

 自民党幹部の中からは保守分裂選挙に対する厳しい批判が出る。

 3月13日投開票の石川県知事選に至っては、「保守3分裂」(地元県連関係者)というあり得ない事態が生まれている。