本当に自分に合っているのは?
「縦と横」の業界・企業研究とは
図を交えて説明しましょう。1社に絞らず、また業界を狭く限定せず社数を広げるには、「縦と横の視点」を持つことが有効です。
まず、横は比較的簡単です。水平方向に広げていく、つまり同じ業界の同業他社を見ればよいのです。どんな業界であっても、完全にニッチでない限り、同じような業種の会社はたくさんあるものです。自分が行きたいと思っている会社が決まっていたとしても、同じ業種の会社を見ることは第一志望の会社を受ける際にも非常に参考になることが多いので、必ず企業説明会の動画を見たり、エントリーをしてください。
一方、縦というのは垂直方向、つまりその会社がお金を払っている先とその会社がお金をもらっている先を考えるのです。サプライチェーンという言い方もできるでしょう。どんな会社でも、独立して1社だけで商売が成り立っていることはありません。食品メーカーなら、まずは原材料メーカーから原材料を仕入れなければなりません。その他、食品の包装の資材、食品を加工するときの機械、香料や色素などの添加物など、最終的な製品にするために必要なあらゆるものを、自社以外の取引先から購入しています。
もちろん、グループ会社で必要な製品をつくっている場合もありますが、その場合もお金の流れとしては、グループ会社にお金を払って製品を買っているはずです。このように、その会社と関連性がある、お金を払っている仕入先も探してみるという広げ方があります。
当然、逆方向もあります。その会社がものを売って、お金をもらっている先です。食品メーカーなら食品専門商社、スーパーチェーン、食品卸業者という具合です。
また縦に広げたうえで、食品専門商社の業界の同業他社を見るなど、さらに横に展開するという広げ方もできるでしょう。さらに、各業界は多くの場合、見本市や商品展示会などを開催し、これまで取引のない会社と出合う場や商談会を設けて、ビジネスチャンスを広げています。「気になる業界名」「展示会」「見本市」というワードでウエブ検索すると、展示会の情報や出展企業の一覧を見ることができるので、そこから研究すべき企業を増やしていくという方法もあります。
縦と横で見る以外にも、ぜひ持っておくとよい視点があります。それは「会社からもらうもの」「会社に与えるもの」という観点です。